 
見えなくなった環
環境自治体 2002年8月号(日本工業新聞)p7〜 記事タイトル:
特集「いまどきの下水道」を読んで
記事要約:
皆さんのご自宅には下水道が通っていますか?日本の下水道普及率は平均約6割。し尿の利用が普及していた日本では下水道の必要が少なく、普及率が3割以下の地域もあるそうです。都心での普及率はほぼ100%。窒素やリンを除去できる高度処理下水道施設のある地域もあれば、田畑に用いている地域もあるそうです。そんな中、バイオマス発電や下水網を利用した光ファイバー網整備など、下水道を資源として活用する動きが広まっています。この記事ではそんな下水道の大きな可能性について特集されています。ちょっと浪漫です。
感想:
仕事の関係で、排水施設を訪ねることがあるのですが、時々近寄りがたいほどの臭うことがあります。肥えや汲み取り式トイレの糞尿といった臭さならば大丈夫なのですが、色々混ざった排水の臭いというのは、時に耐えがたいものがあります。
いわゆる都会に引っ越してから、そういった臭いを感じることが少なかったのですが、ふと思ってみると、畑の近くの肥え、家畜の糞尿の臭いなど、生物がいれば必ず生まれるはずの臭いを感じることも殆ど無くなっていることに気づきます。
キッチンの流しやトイレの排水など、下水道施設が整っているところでは、汚れも臭いも文字通り”水に流す”ことができます。洗剤と消臭剤を使って”清潔”な暮らしを心がけなくとも、現代の都会暮らしでは臭いは出てもすぐどこかに運び去られて行きます。
私、1年程前から、家で出る生ごみをゴミに出さず、ベランダで土にしているのですが、ゴミを集めて放っておいているので(ちょっとした魔法はかけてありますが)時々臭いやハエが出ます。そのおかげか、この生ゴミ処理を始めてから、”捨てたもの””流したもの”に意識が向くようになりました。
排水もゴミも、流したり回収してもらえば目の前から無くなりきれいになります。しかし実際は無くなるわけではありません。どこかで食べられ、分解され、土に還るまで臭いと汚れを出しつづけているのですよね。「臭い!」「汚い!」と、やみくもに嫌うのは現代人の悪癖です。”くさい臭い”や”汚れ”にも肯定すべきものがあるのではないでしょうか?自然循環の環を見ず、知らず知らずに忘れつつある現代、環境問題を憂うのならば、すべての環とともに生きるべきなのかもしれません。
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