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今回は熱帯林の減少についてのお話。

 前回にひきつずき今回は熱帯林の減少の後編。前回では、1年間に日本国土のおよそ40%もの面積に相当する森林が消滅しているとお伝えしました。20世紀はこの地球の心肺機能の破壊の歴史と言っても過言ではないようです。環境問題を語る時、それが私たちの何気ない日常生活に起因していることが多々見受けられます。今回はこの“森林破壊”の原因についてお伝えしたいと思います。



●なんで熱帯林がなくなるの?

 熱帯林の消失には私たちの生活による部分も結構あるのです。急にそう言われると「なんで?」と思われる人もいるでしょうが、そうなんです。熱帯林が減少する原因を上げてみましょう。まず・・・
 1)焼き畑農業による減少
 熱帯林は植物が多く茂っているにも関わらず、養分の少ない土地なのです。そこで熱帯林生活者は森林を焼き払うことで、灰を養分にして食物を栽培する“焼き畑農業”を行なっています。ただこの“焼き畑農業”は2〜3年で養分が不足するため、また別の場所に移動しなければなりません。これを繰り返すのですが、人口の密度が低い時代なら、およそ20年程度で森林は再生され、上手い具合にリサイクルされていました。ところが20世紀も後半になると、人口増加に伴って無計画な“焼き畑”が横行します。こうなると森の再生のサイクルを“焼き畑”が追い越してしまい、森林の消失へと繋がるのです。
 2)建材や紙に化ける
 これは特に先進国がその使用先です。アジアやブラジルの乱伐採で切り出された木材は私たちが暮らす住宅などの建材として利用されることが多いのです。日本は世界有数の森林国ですが、現在ではその80%も輸入建材に頼っている実情があります。あまりにもコストが安いため、国産の木材は競争力を失い、国内林業も衰退するという悪循環が生じています。何が悪循環かというと、森、特に人の手が入った人工の森は、人為的な管理なくしては成立しない側面があります。ことろが競争力を失った国内林業では、もはやその担い手が激減しているのです。ほんの数十年前、国策として植林活動を行ないましたが、今日では国産材への需要があまりにも少なく、林業では暮らしていけないというのが現実なのです。輸入材に頼るということは、言い換えれば世界の心肺機能である熱帯林を減らし、同時に国内の森林の荒廃の原因にもなるのです。
 3)ハンバーガーが森を食べる?!
 「ハンバーガー」が森を食べる。何のことでしょうか?実は今中南米を中心に森林を開発し牧草地にして牛を育てるということが行われているのです。ばく大な面積の森を切り開き大規模な牧場を作りだして、そこで私たちが食べる食肉が生産されているのです。さらに、食肉用の牛を育てるにはさらに多くの穀物飼料が必要です。牛肉1キロに対し、およそ11キロの穀物飼料が必要と言われています。このように食肉自体が大変効率の悪いものなのです。それが低価格で手に入るという現状。このことについて皆さんはどう感じますか?


 ●森林破壊を防ぐには

 熱帯林の破壊を防ぐためには、一番ダイレクトな方法としては「植林」することです。しかしこれはまるで追いついていないのが現状です。1981年から1990年の年間平均で、消失した森林の面積約1540万haに対し、植林面積は219万haに過ぎません。まるで収支がとれていないのです。
 非常に大きな面積ですから、イメージしづらいでしょうが、いずれにしろ私たち一人ひとりの意識と行動に変化が求められていると言えそうです。住まいを建てるなら国産材を活用し、その産地での収支(植林と切り出しのバランス)がとれている木材や建材を選ぶ、とか割りばしを使わないとか、出来るかぎりバージンパルプを使わないようにするとか、植林ボランティアに寄付したり、自ら植林にチャレンジするなど、活動としては些細なことですが、できることから意識してやってみる必要があるでしょう。目に見えるような効果は少なくても、多くの人の積み重ねが大きな実を結ぶことは良くあることです。(環境破壊だって小さなことの積み重ねで、ここまで被害が大きくなったのですから)
 「私ひとりがやっても」と後ろ向きにならず「せめて私くらいは」と前向きな姿勢が大切でしょう。

環境道場入門編第6回「生物種の絶滅」へ >>続く
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「キッチンから考える環境問題」(全3ページ)
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